1975年の『ウルトラマンレオ』放送終了と共に、第2次怪獣ブームも終了したかのように思えていた後、今でいうマニアが深く掘り下げた特撮関連書籍の出版や、テレビの再放送などにより、子供たちにまで怪獣人気が再燃、第3次怪獣ブームの幕が開きました。
 そんな中、怪獣ソフビの発売を望む声も大きくなり、1978年ポピーから『キングザウルス』シリーズの発売がスタートします。
 『キングザウルス』シリーズは、ほぼ同じ頃に誕生した怪獣消しゴムと共に、当時の子供たちに大人気となり、1979年にはアニメ『ザ☆ウルトラマン』が誕生、その後1980年に待望の実写版『ウルトラマン80』が登場することになります。
 『キングザウルス』シリーズも両作品の怪獣をリリースし、人気を博しました。ただ、怪獣消しゴムほど息の長いシリーズにはならず、『ウルトラマン80』の初期怪獣の立体化をもって静かに終了していきました。次の新たな怪獣ソフビシリーズは超ロングラン商品となった「バンダイ版」が1983年に登場するときになります。

足形

 『キングザウルス』最大の特徴が、両足裏にモールドされた各キャラクターの足形です。商品にはこの足形模様のシールが1枚付属し、20枚集めると『ウルトラマン 怪獣大図鑑』がもらえるキャンペーンもありました。

新しいスタンダードサイズ

 1966年マルサン商店からブルマァクまで、長い間親しまれてきた全高約23cmのソフビから、全高約16cmの新たなスタンダードサイズとしてシリーズが展開されました。この新しい全高約16cmという大きさは、1983年に発売されるバンダイ『ウルトラ怪獣』シリーズに引き継がれ、2013年のシリーズ終了まで長いあいだ怪獣ソフビのスタンダードサイズになりました。

試作品

 商品に封入されていたカタログには、発売されたものと違うカラーの試作品が掲載されていました。この試作品は元型から抜かれ、発売品よりも一回り以上大きなソフビで、存在感もあり、もしこのサイズとカタログカラーの状態で『キングザウルス』シリーズが発売されていたら、後の怪獣ソフビの世界も違っていたかもしれない!と思えたりします。

バリエーション

 バリエーションがないように思われがちですが、ギガスやキングジョー、ベムスターなど、仕様が違うものも多数みられます。スプレーの吹き加減が違うもの、スプレーの色が違うもの、また成型色が違うもの等いろいろなバリエーションがあります。マルサン、ブルマァクとバンダイシリーズに挟まれ、まだ探求者の少ないシリーズなので、これからこだわって調べてみるのもいいかもしれません。

バンダイ ウルトラ怪獣へ

 ウルトラの父、ウルトラの母、ケムラーの三体は、1988年バンダイ『ウルトラ怪獣シリーズ』の新商品として、再利用されました。『キングザウルス』の特徴である足形は消されています。

ギコギラーの都市伝説

 ウルトラの父、ウルトラの母、ケムラーと同様に、ギコギラーも『ウルトラ怪獣シリーズ』に再利用されたと間違った噂がひとり歩きしていました。大きさや雰囲気が似ているだけで、これは大きな勘違いです。写真で比べると一目瞭然です!

ウルトラマンフーセンガム

 ロッテから発売されていた『ウルトラマンフーセンガム』の当たりの点数を20点集めるともらえる景品に『キングザウルス』シリーズが流用されました。こちらは一般販売のソフビと違いクリアソフビ仕様になっていました。応募者はウルトラマン係か、かいじゅう係は選択できるものの、キャラクターは選べず、何が当たるかは届くまでのお楽しみでした。発送は紙封筒にソフビを入れ定形外郵便と、今では考えにくい簡素な方法でした。写真以外にもエレキングやギャンゴなどの存在が確認でき、同じキャラクターでもカラーバリエーションがあったりで、未だに謎の多いグループです。

GODZILLA'S GANG

 『キングザウルス』シリーズは『GODZILLA'S GANG』として、海外でも発売されました。ラインナップは写真+ゴジラの計8種。シリーズ名が『GODZILLA'S GANG』なのに、ゴジラ以外のすべてのキャラクターが、ウルトラ怪獣なのが謎なところです。原型は、国内版と違う新たなものが作られています。

ページの先頭へ